テストを開いて絶対値が目に飛び込んできたとき、つい身構えてしまう人いませんか?
確かに普通の問題と比べると、考えないといけないことは増えます。
しかし、絶対値の本来の意味をしっかりと理解することで
絶対値は怖いものではなくなるのです!
絶対値とは、簡単にいうと
「原点(0)からの距離」
距離なので、符号(+-)に関係なく常に+です!
つまり、
「+」はそのまま「+」
「-」は符号がかわり「+」
となります。
絶対値を含む方程式、不等式は‥‥
絶対値の中身の場合分けをすることにより、簡単に解くことができます。
A≧0 のとき |A|=A
A<0 のとき |A|=-A
いくつか例題を解いてみましょう。
【問題】
次の方程式を解け。
|2x-1|=3
【考え方】
絶対値の中身が「+」のときはそのまま、
「-」のときは符号をかえて絶対値を外す。
【解答】
2x-1≧0 すなわち x≧1/2 のとき
2x-1=3 より x=2
これは x≧1/2 を満たす。
2x-1<0 すなわち x<1/2のとき
-(2x-1)=3 より x=-1
これは x<1/2 を満たす。
以上より x=2,-1
上記の通り、方程式の場合「出た答えが最初に指定した範囲を満たすか」考えなくてはいけません。
それでは、不等式も見てみましょう。
【問題】
次の不等式を解け。
|x+2|>3
【考え方】
絶対値の中身が「+」のときはそのまま、
「-」のときは符号をかえて絶対値を外す。
【解答】
x+2≧0 すなわち x≧-2のとき
x+2>3 より x>1
x≧-2 との共通範囲は x>1
x+2<0 すなわち x<-2 のとき
-(x+2)>3より x<-5
x<-2 との共通範囲は x<-5
以上より x<-5, 1<x
上記からわかるように、不等式の場合「出た範囲と最初に指定した範囲の共通部分」を考えなくてはなりません。
それでは、絶対値を複数含む方程式はどう解けばよいでしょうか。
【問題】
次の方程式を解け。
3|x+2|=|2x-1|
【考え方】
それぞれの絶対値について
中身が「+」のときはそのまま、
「-」のときは符号をかえて絶対値を外す。
※x+2≧0,x+2<0,2x-1≧0,2x-1<0 について数直線でxの範囲を考える。
【解答】
x<-2 のとき
-3(x+2)=-(2x-1) より x=-7
これは x<-2 を満たす。
-2≦x<1/2 のとき
3(x+2)=-(2x-1) よりx=-1
これは -2<x<1/2 を満たす。
1/2≦x のとき
3(x+2)=2x-1 より x=-7
これは 1/2≦x を満たさない。
以上より x=-7,-1
上記からわかるように、「絶対値を複数含む方程式は場合分けする範囲をまとめる」ことに注意しなくてはなりません。
それでは最後に絶対値を複数含む不等式を解いてみましょう。
【問題】
次の不等式を解け。
|x+3|+|x-1|<6
【解答】
x<-3のとき
-(x+3)-(x-1)<6 より x>-4
x<-3 との共通範囲は -4<x<-3
-3≦x<1のとき
(x+3)-(x-1)<6より 4<6
これは常に成り立つ。
1≦x のとき
(x+3)+(x-1)<6 より x<2
1≦x との共通範囲は 1≦x<2
以上より -4<x<-2
By スタッフ01